2009-04-21から1日間の記事一覧

こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう

この歌にはおどけた感じと思いつめた感じとが同居している。おどけた感じは「ふざけた」という語がもたらすもので、思いつめた感じは「どんなあすでも」というちょっと気どった言いまわしから来ている。そして前半のおどけから後半の生真面目さへシフトする…

かなしみはだれのものでもありがちでありふれていておもしろくない

たとえば失恋したときの「かなしみ」など、当人にとっては切実なことでも他人にとっては「ありふれ」た風景のひとつでしかないことがある。もっと切実な親しい者の死についても、当事者の「かなしみ」は他者にとっては「ありふれ」た反応の一つでしかない。…